全国を巡る旅 第2弾 66日目:「SUZUKA Sound of ENGINE 2019」金曜日
2019年11月15日(金):2ヶ月半に及ぶ長旅の66日目です。
旅の途中で寄った、モータースポーツに関連したヒストリックカーのイベント「鈴鹿サウンド・オブ・エンジン」の初日(金曜日)をご紹介します。
実は途中で寄ったと言うよりも、このイベントの日程に合わせて長旅に出た次第です。
ここまで65日間を掛けて走行距離は約1万2千キロにも及びますが、なかなか良い按配で辿り着けました。
本日の移動ルート
走行距離:46キロ
※この日の立ち寄り先は鈴鹿サーキットのみです。
本日の記録
昨晩は三重県三重郡菰野町にある道の駅「菰野」で車中泊しました。
道の駅の脇を近鉄(湯の山線:近鉄四日市駅~湯の山温泉駅)が走っています。
憧れの「鈴鹿サウンド・オブ・エンジン」の日を迎え、朝からワクワクしています!
2015年に初開催されて以来、今回で5回目となる国内最大のヒストリック2&4レースイベントです。
この年の6月に続き、人生二度目の鈴鹿サーキット訪問です。
素晴らしい好天に恵まれました。
先ずはパドックに向かってみます。
オォ~ッ、早速レアな車両が。
1960年式のLotus 19です。
1972年式のSKYLINE 2000GT-R(KPGC10)のレース仕様車です。
このハコスカは佐賀県伊万里市にある「GT-Rサービスワタナベ」の創業者である渡辺茂さんが所有していた車両です。
その後、東京オートサロン内の「BHオークション2020」に出品されて3,219万円で落札されたそうです。
手前:1962年式のホンダ CB72です。
奥:1972年式のホンダ CB500Rです。
1969年式のヤマハ TD2です。
2ストローク・250cc2気筒エンジンを搭載した市販レーサーです。
1971年式のカワサキ H1Rです。
過激な2ストローク・3気筒エンジンを搭載した500SS(マッハⅢ)をベースとしたレース車両です。
1989年式のMAZDA 767Bです。
654cc×4ローター・エンジンを搭載しています。
今回の目玉はコレ、1976年式のTyrrell P34です。
元F1ドライバーのピエルルイジ・マルティニさんが所有する車両です。
まるで当時のまま、ピカピカの新車のようでした。
2018年9月に77台限定で販売されたサーキット走行専用車両「Porsche 935 Flatnose」です。
1985年式のTOYOTA TOM’S 85C-Lです。
1988年式のWilliams FW12です。
どうですか、ピットに佇んでいるだけで絵になるマシンばかりしょう。
11時になって車両の走行が始まります。先ずはGroup Cの車両です。
1986年式のNISSAN R86Vです。
マーチ製86GのシャーシにVG30型ツインターボエンジン(3ℓ・V型6気筒)を搭載しています。
1985年式のTOYOTA TOM’S 85C-Lです。
第53回ル・マン24時間レースに参戦した車両です。トヨタとして初出場で12位完走しています。
1989年式のMAZDA 767Bです。
前年のリア排気からサイド排気に改められた改良型で、3台が参戦した第57回ル・マン24時間ではトヨタ勢、日産勢が全滅する中、7、9、12位で全車完走しています。
1988年式のADVAN alpha PORSCHE 962Cです。
1989年の全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権(JSPC)において、台風の為12月に順延となったインターナショナル鈴鹿1000kmで優勝し、高橋国光さんが4度目のシリーズチャンピオンを獲得しています。
続いて「Legend of Formula1」の走行です。
1988年式のWilliams FW12です。
この年からホンダ製ターボエンジンの供給を得られず、ジャッド製(V型8気筒3,500cc自然吸気)エンジンを搭載しています。
#5はナイジェル・マンセルさんがドライブした車両です。
1988年式のAGS JH23です。
資金の乏しいフランスの小さなチームでありながら、コスワースDFZ(V型8気筒3,500cc自然吸気)エンジンを搭載し、16戦全てで予選を通過しています。
フィリップ・ストレイフさんがドライブした車両です。
1981年式のLotus 88Bです。
当時、ツインシャーシ構造がレギュレーション違反を問われ、練習走行のみの出走で予選および決勝には出場できないままシーズンを終えています。
カレッジ・ビールがスポットでスポンサーに付いたイギリスGPのカラーリングだそうです。
1981年式のAlfaromeo 179Cです。
V型12気筒3,000cc自然吸気エンジンを搭載しています。
この#22はマリオ・アンドレッティさんがドライブした車両です。
ブルーノ・ジャコメリさんがドライブした別の車両は最終戦シーザースパレスGP(ラスベガス)で3位に入賞しました。
勢い余ってコースアウトする場面もありました。
昼食はS-PLAZAにある「そら・たべよ」のランチビュッフェにします。
90分制で料金は1,990円なのですが、この日は平日なので駐車券払戻▲1,000円が適用されました。
デザートも含めて、たいへん美味しゅうございました。
大満足です!
13時になってFormula 3000の走行が始まります。
1998年式のLOLA T98-51です。
フォーミュラ・ニッポンで野田英樹さんがドライブしたコスモオイル・セルモ・ローラT98-51です。
1988年式のMarch 88Bです。
全日本F3000でロス・チーバーさんがドライブしたワコール・ダンロップ88Bです。
2005年式のLOLA B351です。
高木虎之介さんがTAKAGI PLANNING with CERUMOとしてフォーミュラニッポンに参戦した車両です。
ここでレジェンド・ライダーが走行します。
左からケニー・ロバーツさん、エディ・ローソンさん、青木宜篤さんです。
ケニー・ロバーツさんです。
WGP500ccクラスに参戦した1978年から3年連続で世界チャンピオンになり「キング・ケニー」と呼ばれました。
エディ・ローソンさんです。
WGP500ccクラスで1984年、1986年、1988年、1989年の4度も世界チャンピオンになっています。
次は「60’s Racing Car」の走行が始まります。
1972年式のSKYLINE 2000GT-R(KPGC10)のレース仕様車です。
1969年式のPorsche 911ST 2.3です。
1960年式のLotus 19です。
1964年式のBRABHAM BT8です。
64年に9台、65年に2台、66年に1台の計12台が生産されたそうです。
1966年式のプリンス R380(A-I型)です。
第3回日本グランプリ(富士スピードウェイ)で優勝しています。
1967年式のMacransa LMです。
ホンダ S600のシャーシにFRPのボディが載っている車両です。
1966年式のMacransaです。
1967年式のDATSUN FAIRLADY 2000(SR311)です。
1969年式のSKYLINE GT-R(PGC10)です。
この4ドアセダンのハコスカGT-Rは832台が生産されたそうです。
1964年式のLotus 23Bです。
1967年式のPorsche 910(Carrera 10)です。
ワークス用として28台が製作されましたが、レース毎に使用後はオーバーホールされて各国のプライベーターに放出されたそうです。
続いて「MOTORCYCLE Heritage」の走行が始まります。
1962年式のNorton Dominator 650ssです。
当時、「フェザーベッド」フレームが最大の特徴だったそうですが、羽毛敷布団のような乗り心地ってどう言う意味でしょうか。
1964年式のホンダ CB77です。
CB72(250cc)を海外市場向けに305ccにボアアップしたものがCB77だそうです。
1972年式のホンダ CB500Rです。
1970年代前半に活躍した隅谷守男さんが乗っていたCB500Rの初期仕様です。
HRCの前身であるRSCのマークが見えます。
1971年式のカワサキ H1Rです。
次にGroup Cの走行です。
1985年式のTOYOTA TOM’S 85C-Lです。
1991年式のNISSAN R91CPです。
1991年のル・マン制覇を目標に日産初のオール自社製グループCカーとして開発されましたが、スポーツカー世界選手権(SWC)へのシリーズ出場が義務付けられた為、断念したそうです。
しかし、翌1992年のIMSA開幕戦であるデイトナ24時間を制覇しています。
1986年式のNISSAN R86Vです。
グループCに交じってPorsche 935 Flatnoseの走行です。
1976年のポルシェ935/78 “モビー・ディック”と同様にマルティニ・レーシングのカラーリングが纏われています。
1988年式のADVAN alpha PORSCHE 962Cです。
1989年式のMAZDA 767Bです。
本日最後の走行となる「Legend of Formula1」です。
1988年式のWilliams FW12です。
1981年式のLotus 88Bです。
1977年式のLotus 78です。
コードネーム「John Player Special Mk.Ⅲ」と呼ばれたそうです。
1977年はコンストラクターズ・ランキング2位を獲得しています。
中嶋悟さんがドライブした1991年式のTyrrell 019です。
ハイノーズでフロントウイングの逆ガル翼形状が特徴的な車両でした。
アレッサンドロ・ナニーニさんがドライブした1989年式のBenetton B189です。
この年の日本GPで優勝しています。
当時、中嶋悟さんがドライブした1991年式のTyrrell 019です。
この写真のドライバーは次男の中嶋大祐さんです。
その中嶋大祐さんは、11月24日のSUPER GT×DTM 特別交流戦の予選後に突然の引退宣言をされました。
車両の走行は終わりましたが、パドックを覗いてみます。
1977年式のFL500「ファルコン 77A」です。
FLとは「Formula」「Libre」の頭文字らしく、軽自動車のエンジンを搭載したミニF1と呼ばれ、パワーウェイトレシオの値が小さく加速性能やコーナーリング性能に優れていたそうです。
1979年式のFL500「ハヤシ712」です。
1966年式のFIAT ABARTH 1000SPです。
SPとはSport Prototipo(Sports Prototype)のイニシャルらしく、1966年と翌1967年に当時のレギュレーション規定により25台づつが製作されたそうです。
そして、ニュルブルクリンク500kmレースなど1966年から1971年までの1,000cc以下プロトタイプカテゴリーで何度もクラス優勝しています。
1993年の全日本ツーリングカー選手権に参戦したグループA車両「STPタイサンGT-R」です。
このBNR32型GT-Rは、1990年の開幕戦から1993年の最終戦まで4シーズン全29戦に参戦し、29戦無敗29連勝の記録を残しています。
高木虎之介さんがフォーミュラニッポンに参戦した2005年式のLOLA B351です。
1991年式のNISSAN R91CPです。
1963年式のHUFFAKER GENIE Mk13です。
HUFFAKERは、かつてのアメリカ最大のレーシングカー専門メーカーとの事ですが詳細は不明です。ゴメンなさい。
初日の日が暮れて来ました。
明日・明後日も「鈴鹿サウンド・オブ・エンジン」を楽しみます。
この後は道の駅「津かわげ」で車中泊しました。
本日のまとめ
イギリスまでグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードを見に行けない私には、この年で5年目を迎えた「鈴鹿サウンド・オブ・エンジン」は憧れのイベントでした。
特にグループCカーとF3000の実車が走る姿には30年以上前の記憶が蘇り、たいへん感激しました!
この日、残念だったのは一番の目玉であったTyrrell P34が走行できなかった事です。
エンジンを始動したところ、コスワースDFVエンジンの一部からガソリン漏れが発生したそうです。
翌日は少しだけ走りましたので、次の記事で改めて掲載します。